住宅街の一角を占める場所に12軒が町内会で一つの班を成している。
その中で我が家は東側と南側が道路に接する角地にあって、尋ね人などの部外者が比較的近づき易い場所になっている。
昨日のこと、一組の老夫婦が屋外にいた家内に、先日亡くなったSさんのお宅はどこですか?と訊ねてきた。
Sさん宅は我が家の裏の方に位置して、且つ、道が狭くて駐車できない。
幸い日曜日だから近くの倉庫の前が空いていて駐車出来る。
家内は、老夫婦に車をその倉庫前に停めるように案内し、Sさん宅を教えた。
しばらくして老夫婦が戻ってきた。
どうでした?と家内が問うと、留守でしたと返事が返ってきた。
家内はSさんの奥さんも老齢で施設に入ったと聞いているから、そうだろうなぁ・・と思いながら、
折角いらっしゃったのに残念でしたね、どちらから?どんな関係で?と訊ねた。
すると老人は、八百津から来ました、Sさんとは昔八百津で隣同士だったんです、
先日、法事でお寺に行ったら住職からSさんが亡くなったと聞いたものですから、お悔やみに来たのです、と事情を話した。
八百津は木曾川の川向う。車で1時間位かかる。
そこで家内が、そういう理由でしたら隣が親戚筋に当たるのでその方を紹介しましょう、と言って、老夫婦をOさん宅へ案内した。Oさんの奥さんがSさんの親戚筋だということを家内は知っている。
Oさん宅は奥さんが不在で旦那が玄関に出てきた。
事情を聞いたOさんの反応は、
「オレは知らん、ウチとは関係ない」とケンモホロロ。
だったとは、家内の話。
すごすごと老夫婦は帰って行った。
だが、しばらくすると老夫婦がまた現れて、通りかかった近くのコンビニで買ってきたと言いながら、裂きイカやチーズ鱈などの酒のつまみが5袋入ったレジ袋を差し出した。
家内の親切が嬉しかったとお礼を言いながら。
おくやみ出来なかった無念さが家内へのお礼で少しは癒やされたのかもしれない。
そして今日のこと。
Oさんの奥さんと顔を合わせた家内が、挨拶がてら昨日の尋ね人のことに触れた。
Oさんの奥さん曰く、
名前ぐらい訊いておかなきゃイカンわねぇ・・、
だと。
家内はプンプン怒りながら返ってきた。
名前くらい訊いておくべきはOさんの旦那のほうだろう!
にも拘らず弔問客と知りながら追い返したOさんの旦那といい、
取り次ぎ方が悪いと家内を非難したOさんの奥さんといい、
夫婦揃ってどういう感覚をしているんだ?とボク。
ことほどさように、この隣人とは付き合い方が難しい。