わが町の広報誌に回収できる大型ゴミに電子オルガンもリストアップされている。
役場まで出掛けて確認したら、エレクトーンもOKだと。
但し、二人でトラックに載せられる重量であること、という条件が付いた。業者が二人で回収に回るが、重すぎて載せられないようでは困るという訳だ。
廃棄処分費用が1,000円。
そうとわかれば、1万円以上もかけて、サービスマンに診てもらって、これは古すぎて直りませんと言われるのがオチだろうと思うような修理がバカらしくなった。家内も同意だから、これで心置きなく廃棄出来る。
問題は重量。
大人二人ならなんとか持ち上げられると思うけど、古いエレクトーンはかなり重い。
回収に来て、こりゃ重い! と言われて、引き取ってもらえないと困る。
軽量化するため分解することはできるが、それも面倒。
このままの状態で、どこか安く引き取ってくれるところはないか?
そんなことを考えて、町の指定しているリサイクル業者に問い合わせた。
1社は13,000円以上。もう1社は5,000円で引き取ると言ったが、玄関先渡しが条件で、搬出費用は別だと言った。
こちらの選択肢は消えた。やはり、自分で軽量化するしかない。
そんな次第で、1週間前、まだよく回らない首を庇いながら、分解作業に取り掛かった。
分解は簡単だった。ドライバーとニッパーだけで、出来た。
全部バラすことも出来たが、二人で持ち上げられるところまで減量化したところで止め、
キーボードと電機基板、並びにそれらを繋ぐ電線はそのまま残した。
これらの配線とそれに繋がる基板を観ていると、まるで人間の血管や神経のように思えて、
自分の手で切る気が起きなかった。
38年前に、独身時代から掛けてきた生命保険が満期になって、それでも不足したのでボーナスで補って買った。50万円以上支払った記憶がある。それだから思い入れがある。
昨日、居間から掃き出し窓を経由して庭先に引っ張り出し、更に玄関先まで移動させた。
家内の手を煩わせることもなく自分一人でやった。引越20回の経験はダテじゃない。
今日の10時ころ、それを業者が引き取っていった。リフター付きの車だったから、あっけなく載せられた。家内に、軽量化を心配することもなかったね、と言われた。確かに、そのとおりなんだけど、最後にじっくり自分でいじり回して愛しんだから、それはそれで良かったんだと納得している。
あとに残ったのは一抹の寂しさとすっきり感。



