昨日は呼吸器外科の受診日。
8月1日に切除した組織の病理結果報告書を聞くのは緊張の一瞬である。
主治医の先生が報告書を画面に呼び込んで、ボクと家内に見せながら説明しだしたが、
途中で、首を傾げながら説明を止めた。
先生も報告書を初めて見るらしいが、内容に納得がいかないのである。
ボクが文書にさっと目を通した限りでは、
腫瘍が2㌢の大きさで肺に浸潤していたこと、
細胞を染色した検査では3年前に手術して切除した肺腺癌と同じであること、
胸腺癌の染色テストでマイナスであること、
などから肺腺癌の再発であると結論する、
と書いてあった。
先生が納得出来ないのはどうやら「再発である」との結論にあるらしい。
先生の説明はこうだ。
まず、今までに肺腺がんが肺の内部の上下で同時に見つかるという例はあっても、肺と胸腺に同時に出来きたという例を経験したことがない。
更に、今回の胸腺腫瘍は3年前に既に兆候をPET検査で見つけており、観察を続けてきたものであるから再発という訳ではない。
というもの。
どうやら先生にとっても予想外の結果だったようだ。
先生は、「関係部門と相談した上で今後の治療方針を決めるのでしばらく時間を下さい」と言われた。「カンファレンスに掛けていただくのですか?」と訊ねると、「それも含めて」とも。
どうやらボクは名医を悩ませるほどの難物患者らしい。
10日後の次回診察までお預けとなった。
ボクは少し胸をなでおろした。
今回の手術直後、取り出した腫瘍は硬いから胸腺腫ではないだろうと、先生は家内に説明している。それを聞いたボクは胸腺腫でなければ胸腺癌だということか?と恐れて来た。何しろ胸腺癌は悪性度が高いと言われているのだから。
念の為に、先生にボクのがん組織の悪性度を訊ねたところ、病理検査結果を確認した上で、普通程度のものだと教えてくれた。胸腺癌はずっと悪性だそうだ。
肺腺癌なら前の手術で3年間再発なしの実績がある。
同じ肺腺癌、それも既に切除したのだから、体内に今、悪いものは残っていない。
だから、今後3年間再発なしの期待が出来そうだ・・、と自分でそう慰めた。
3年前肺腺癌で右上葉を切除した時、胸腺腫瘍も切除出来ればよかったのにと思うけれども、
胸腺腫瘍は良性である場合が多く、病変部の変化を観察し続けるのが通例だそうだから、
今更それを言っても詮無いこと。
再発を予防するためにレントゲン照射は必須として、更に、1クール程度の抗ガン剤治療が加えられるかもしれない。先生を悩ませた結果の治療方針なら、それも率直に受けようと思う。
2 件のコメント :
すっきりと一件落着といかないですね。心情お察しいたします。でも貴兄の主治医は、治療実績も多く評判の先生らしいからその判断には安心できそうですね。一般的に手術数の多さで病院、先生選びの目安となるようだが、病名の確定には経験の積み重ねがモノをいう。セカンドオピニオンの制度もその流れでしょう。ちなみにボクが定期健診で肺に影が見つかり肺がんの疑いできゅうきょ肺の右上葉切除した。結果は結核腫であったことは紹介したが、入院中接触のまったくなかった」内科の先生が症例を学会で報告するといってわざわざボクの病室を訪れた。こうした症例の積み重ねで経験を増やし診断の精度がよくなっていくのでしょうね。
>忠ちゃん ありがとうございます。スッキリとまでは行かなかったけれど、最悪は免れたから良しとします。
県内で2番目に多い手術実績のある先生が、まだ経験したことがないとおっしゃり、その上、最適の治療法を考えるから時間を呉れとおっしゃった。こりゃ~もう先生を信頼するしかありませんね。
現在の検査技術であれば貴兄も右上葉を失わずに済んだものを。
医術の進歩はありがたいです。
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