2016年1月12日火曜日

版画の斎藤清を知る

先日、高校の同級生だったNさんが今年の初メールで版画家の斎藤清の作品の一部を紹介して呉れた。どうやら画集をコピーしたものらしい。曰く、斎藤清が描く故郷・会津坂下の風景は絶妙です、と。

早速拝見。
実に素晴らしい!
審美眼のないボクでさえそう思うのだから、Nさんもよほど気に入ったのだろう。
絵画に造詣が深いNさんも斎藤清作品をつい最近知ったという。
その時のNさんの興奮がわかるような気がする。

Nさんからの添付画像だけでは物足りなくなって更に、ググった。
斎藤清、明治40年会津坂下生まれ、4歳で父の仕事の都合で夕張ヘ、看板の仕事をしながら20歳で上京、41歳の時に進駐軍に才能を見出され、47歳から版画に専念、63歳から冬の会津を中心描くようになり、80歳に鎌倉から会津の柳津に転居、88歳で文化功労者、90歳で没。
斎藤に子供の頃の会津の記憶があったとは思えないから、会津に惹かれ出したのは人生の後半からだろうか?
会津の作品はどれも素晴らしい!
他の作品も素晴らしいのだろうが、正直、ボクにはよくわからない。


ボクは昭和41年から45年まで郡山に赴任した。
その間に、会津坂下を経て奥只見の田子倉湖までハヤ釣りに通ったのは数回はあっただろうか?
只見川沿いに点在する集落の佇まい、只見川の水面を完全に塞いだ川霧が延々と10km
以上も続いた自然現象、残雪を残しながらも芽吹きを迎えた山肌が湖面に映る静寂の風景、夜の田子倉湖の湖面を渡るブッポウソウと鳴くコノハズクのナマの声、帰り道の柳津で買って食べた「あわまんじゅう」の素朴な味わい、等など。
斎藤清の作品はボクにそんな想い出を呼び起こしてくれた。

もう一度行けるものなら是非とも行ってみたいと思う奥会津。
斎藤清が描いたような日本の原風景が今もなお一杯残っているのだろうか?残っているに違いない!
版画家斎藤清を紹介して呉れたNさんに感謝感謝!


2 件のコメント :

忠ちゃん さんのコメント...

斉藤清という版画家は馴染みはないが、以前「なんでも鑑定団」で作品が出た。出品作か、関連する美術作品の紹介ビデオの中だったか記憶はない。下から2段目「大」の屋号のついた民家と人物の雪景色、とてもすばらしい。この作品を観た記憶がある。
郷愁の日本風景、こうした場所に住んだ経験がなくとも観る人に伝わって来ますね。全くの写実描写でなく、少しデホルメされた作者の心象風景です。
ボクは「なんでも鑑定団」をいつも見ている。特に絵画、版画などに関心がある。日本の浮世絵、版画家で「昭和の広重」と言われた川瀬巴水という作家がいる。この作家のほうが良く知られている?この人は斉藤清より少し先輩。この人の版画も「鑑定団」で2.3回観た。日本各地の風景作品はすばらしい。こうした作品が1枚ほしくなりますね。

ター さんのコメント...

>忠ちゃん 貴兄ならきっとご存知だと思っていましたから、ご存じなかったのはちょっと意外。やっぱり美術の世界は奥深いですね。何でも鑑定団で斎藤の版画がいくらだったか知りませんが、ネットで見ると、会津の冬シリーズものは30万円後半の値段が多いですね。欲しいと思っても、猫に小判だから手を出しません(笑)。
川瀬巴水は知りませんでした。ググッて見ました。なるほど、広重に似ていますね。
たまにはこういう美術品を眺めるのもいいものですね。