その記事で、目に飛び込んできたのはよく知られた例の歌。
「ななへやへ はなはさけども 山ぶきの みのひとつだに なきぞあやしき」
でも、ちょっと違和感あり。
その文字列の最後の4文字が「あやしき」になっている。
何故なら、ボクが中学生のときの教科書に載っていたのは「かなしき」だったから。
この歌のオリジナルは平安中期の兼明親王の作で後拾遺和歌集にあるという。
調べていくと、どうやら、「あやしき」が途中で「かなしき」になったことが分かった。
それは室町時代の太田道灌の時代なのか?それとも時代が下って江戸時代になってからなのか?
江戸時代の湯浅常山という人が戦国武将の逸話を多く残していて、
その中の太田道灌の「山吹の里」伝説では、「悲しき」と書いているそうだ。
元の「あやしき」は「道理や礼儀にはずれている」程の意だそうだから、今様に言えば「ご要望に添えなくて申し訳ありません」と言うようなもので、気分的に軽さがあるが、
これを「悲しき」と言えば、「本当に申し訳ありません」というようなものか。気分に重みが加わるように感じる。
「悲しき」としたことに常山の意図が隠されているのではないか?という説も見られた。
なお、江戸時代に作られ諸伝本はすべて「悲しき」を採っているらしい。
今は「悲しき」が定着しているように思うが、これは小さいときから教科書で教えられて来たせいでもあるだろう。
教科書に載せるものならば、やはりオリジナルを採用すべきだったのではなかろうか?
そんな気がする。






