彼は旧城下町の出身で月に、月に1度くらいは小学校時代の旧友と会いに来るのだという。
彼は地元のアイスクリ-ム協会や地元並びに関西の乳酸菌飲料協会の創設に関わり、30年以上に亘って事務局長を務めてきたから、業界のことには精通している。
先にブログに書いたように、アイスクリーム50周年記念大会の特別講演で業界裏話を語った人だが、その時語り足りなかったことや、M社とT醗酵乳社の因縁など、ボクの知らなかったり知っていたことなどを延々と語ってくれた。実に、面白く興味深く聴いて、時間が足りなかったくらいだ。
実は、ボクは彼に是非聴いておきたいことがあった。それは、3年前に奥さんに先立たれ、その後自殺願望するほど落ち込みながら、1年間で老人ホーム2箇所を渡り歩き、何故もとのマンションに戻って自炊出来るほどまで回復できたか?ということであった。
回復出来たその理由は、どうやら老人ホームを渡り歩いて「自分はまだ1人で生きられる」と気付いたことにあるらしい。
1ヶ所目は大阪の私立の施設で、入所一括払い金が1800万円だったが、施設を経営する医者がヤブで、「こんなところにいては医者に殺される」と思って、一括払い金が全額返される期限の1日前に退去した。
2ヶ所目は名古屋のベネッセ系の施設で、一括払い500万円で入ったが、サービスの全てがマニュアル通りでまったく融通性がない。食事は全員食堂に集められて食べるが、テーブルの周りを徘徊する人がいるし、時間が来れば「はいそこまで!」とばかりに食事は打ち切られるはで、まともな人間が生活する場所ではなかった。ここは1ヶ月以内なら一括金は全額戻るが、僅か10日で退去した。
膝が悪くて杖を付きながら、ヘルパーさんに手助けをされながらでも、自分はまだ1人でやれる。
今の制度では最後まで自宅で介護を受けられるよとヘルパーさんも励ましてくれる。
地下鉄に乗り、デパ地下まで食料を調達しに出掛け、気が向けば上の階の本屋で立ち読みも出来る。
老人ホームはコリゴリ、と彼は語った。
もし、老人ホームに入りたいと思うなら、その業界の会員会社の中から出来るだけ多くの資料を集めて検討し、1週間以上の体験入所をしたうえで決めること。1日くらいの体験入所では実態は分からない。
それが、彼のアドバイスであった。
81才で、今は元気に旅行にも出掛けている。
ボクより元気だ。見習うべし。
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