ボクと同じ元の会社のOB、Hさんからのメールで、名古屋牛乳と豊田牛乳が廃業したことを知らされて、驚いた。豊田乳業は別にして、名古屋牛乳は県内では老舗中の老舗だから、多くのひとに馴染まれてきたブランドである。それが消えた!という訳だ。
慌てて情報を探った。
孫引きだが、日刊酪農乳業速報2014.2.14号を見つけた。
それによると、県内で名古屋牛乳と昭和牛乳とみどり牛乳が1年半前の2014年3月末に、同時に廃業していた。農水省の産地活性化総合対策事業により、県内の乳業会社の統廃合を進めた結果らしい。これで県内で残ったのは大手を除いて中央製乳と常滑牛乳と愛知兄弟社の3社だけになった。豊田乳業はさらにそれ以前の2012年12月に倒産して神戸物産の子会社として買収されているから、廃業とは違うようだ。
統廃合が進んだ背景について、表向きには次の理由が挙げられている。
牛乳消費の低迷、飲料の多様化、設備の老朽化に伴う改善に投資の回収が見込めない、経営者の高齢化、等々。
確かにその通りなのだろうが、ボクの見方はもっと厳しい。
大手メーカーに対抗して牛乳の安売り競争に走ったことで自らの首を締めることになった、と見る。即ち、かって、農系、酪農組合系の牛乳が大手乳業メーカーの製品をスーパーから駆逐できたのはひとえに低価格戦略のおかげだった訳だが、安くした差額分は結局のところ組合員である生乳生産者自身が負担したという構図になっていたはずである。みどり牛乳はおそらくその典型ではなかっただろうか?生産者はその負担に耐え切れなくなったと想像する。
生き残った中央製乳は名古屋牛乳と昭和牛乳の生乳を引き継いだようだ。
同級生だったI 君が長年トップを務めた会社である。彼の手腕に負うところが大きかったのではないかな。
全国的でどれくらいのメーカーが廃業したのだろうか?
ニュースを見かけなかったのは、ボクの目が節穴だったか?乳業界から足を抜いて18年、浦島太郎になった気分である。
2 件のコメント :
日進月歩の電気機器メーカなど、将来を見据えて経営資源をどの部門に振り向けるか、これはまさに経営者の資質、判断が重要だ。あれほどTV事業で破竹の勢いであったシャープ、パイオニアなど、今は見るかげもない。また別部門で不死鳥のごとく復活するかも知れないけど。
地元中小のミルクプラントに関して、ぼくは全く承知していないが、経営は大変だろうなあと想像できる。国の方針、生産農家と直結しているので経営者は、如何ともしがたい他律要因の割合が多いと思う。経営判断の自由度は、上記大手メーカーの経営者より少ないと言える。
職種はちがうが、ある証券会社が倒産したとき、記者会見で社長が「従業員は悪くない!」と男泣きした。上からの指示で真面目に働いていた従業員にとって、経営判断を誤り、路頭に迷うことになるのは、たまったもんではないですね。
>忠ちゃん 仰るとおりです。
元いた会社のなかであっても、いつも工場閉鎖を喰らう恐れがありました。
それをなんとか回避するために随分苦労しました。
I君も立場上、苦労が多かったと思いますよ。
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