心配してくれている人達がいるのは有り難いことだとつくづく思った。
その中のひとりにH.H君がいた。
彼から電話がかかったとき随分久しぶりだと思ったほどに、最近は連絡が取れていなかった。
用件が終わって近況の話になった。
彼がいうには、「あの後に貧血を起こしてねぇ、N病院に15日間入院して治療を受けたんだよ。おかげで今はすっかり良くなって食事に支障なく、先月は栂池へ行って高山植物を見てきたり、礼文島にも行ってきたよ」と。
それを聞いてボクは「ちょっと待て!その後のそのというのは何のこと?」と質問した。
彼、「食道がんが見つかって、放射線治療で治ったんだけど、その部分が放射線焼けして出血したんだ。その治療で、入院したという訳・・・」と言った。
ボク、そこまで聞いても、未だ、彼が食道がんだったこと、治療して治ったこと、彼自身から聞いていたことが思い出せなかった。
だから、ボクは「エッ!そうだったの。ソリャァー初耳だ!」と言ってしまった。
彼曰く、「確か、話したつもりなんだけどなぁ・・」と訝しげだった。
電話が終わっても、ボクは未だ思い出せない。
そこで直ぐに、H.Hと親密なH.Y君に電話して、H.H君が食道がんだったことを知っていたか?と訊いた。H.Y君はちゃんと知っていた。それからである。
そう言われりゃー何となくそんなことを聞いたことがあるような気がして、変な気分になった。
それから約1時間、何とか記憶を辿って行って・・・、
はたと思い出した。
間違いなくH.H君から電話があったこと。
ボクはH.Y君にも知らせたか?と聞き返したこと。
そしたら、H.Y君には上京した時に知らせるから、それまで默まっていて呉れ、と言われたこと。
だから、H.Y君にも連絡しなかったこと。
そんなこともあって暮のクラスメートの忘年会でも話題に出さなかったこと。
完全に思い出したのはいいけれど、ボクは大ショックだ!
友達の大事件を忘れるなんて!ということもさることながら、自分の認知障害が進んだことに。
最後に言い訳と反省。
もしH.H君からの電話の内容をH.Y君に伝える行動を取っていたら、多分、こんなにすっぽりと記憶が抜け落ちることはなかったのじゃないだろうか?単に聞いただけという記憶よりも、電話を掛けるという行動が伴っていたら、もっと記憶に残ったかも知れない?
これからは聞き置くだけということは忘れるに繋がると考えるべし。
メモを心がけよう!
2 件のコメント :
食道がんは、なかなか完治するのはむつかしいと聞いていたが、こにように健康体に戻れるケースもあるんだ。医学は日進月歩で治療法が進んでいますね。
友人のこんなショキングな病状が記憶にないということは、貴兄の周囲には何かしら大きな病気をかかている友人が多いから失念した? 認知障害とは別の問題だと思う。お互いまだまだ脳の海馬は健全だと思いたい。
ボクは交際している友人は貴兄ほど多くないから、がんを患ったと聞けばまず失念することはないだろうと思う。しかし忘れてしまったことは指摘されなければ気づかないことだから、日常「忘却の彼方」の出来事が案外多く発生しているのかも知れない。
>忠ちゃん 同級生のT君も食道ガンと前立腺ガンに見舞われたけど元気になったという年賀状を貰いました。食道ガンは早期発見なら放射線だけで治せるようですよ。そんなこともあってボクの受け止め方も軽かった。それが記憶喪失の原因だったのではないかと思っています。
失念は、気がつかないだけで本当はもっと多いのかも知れませんね。貴兄のような外交的な人は認知障害は起きにくいんっじゃないでしょうか。
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