2017年2月23日木曜日

吉田博木版画展へ行ってきた

きのう名古屋ボストン美術館へ出かけ、吉田博木版画展を観てきた。
ひとりで美術館など滅多に行ったことがないのに、これを観に行ったのには3つの理由がある。

一つは、名古屋ボストン美術館が2年後の2019年3月末で閉館するので、今まで一度も行ったことがなく、この機会に行ってみようと思ったこと。来館者数が少なく経営難が閉館の理由とか。交通の便がいいのに人が集まらないのは、名古屋人の美意識のなさなのかどうか?はたまた美術館側の企画の悪さか?開館後、20年で閉館になる。

2つめは、前にも書いたとおり、絵画に造詣深いTさんから、吉田博の作品の素晴らしさを聞いていたこと。それで、どんな作品なのか、ネットで多少の調べがついて、作風が気に入り、版画なるものに興味が湧いていた。

3つめは、勿論、作品の現物が観たかったこと。


入り口で貰った目録は添付写真の通り。
吉田博と巡る 全国名所の旅 とある。
なかには、アメリカは勿論、中国、インド、イタリヤ、スイスなどの作品の有るが、多くは日本国内の名勝地を描いたもの。それらのどれもが情緒あふれる風景であり、ボクのような素人にもとてもわかり易かった。
版画でありながら細かな線や微細な描写、版画でもこんなことも表現出来るんだと、版画の技術を初めて認識した。複数の版木を使い、摺りを90数回も繰り返した作品もあった。
版画でありながら光と影を見事に描写した「瀬戸内海集 光る海」に吉田博の真骨頂を観た。

90数点の展示作品全てはMOA美術館の所蔵品だそうだ。素晴らしいコレクションに違いない。

ネットで調べるとWさんが住まわれている熱海にその美術館はあるが、そこへ行っても吉田博作品が見られる訳ではないようだ。ちょっと風変わりな美術館という感じがする。

2 件のコメント :

忠ちゃん さんのコメント...

ボクは、かなり前に吉田博展がボストン美術館であることを知った。この画家について貴兄と
ブログで話題にしたことを思い出し、貴兄に連絡しようかなと思っていた。版画展が始まったら中日新聞に頻繁にPR記事が載ったので連絡はやめた。鑑賞の目的でわざわざ行ったのですね。ボクは行かなかったが、ボストン美術館には過去3,4回ほど訪問している。
ここの馬場館長は、名古屋市美術館館長から転任したひと。ボクがボランティア活動していたとき、3回ほど講義を受けた。ボストン美術館に転任し、なんとか活性化しようと精力的に努力されたが思うような成果は得られなかったようです。この美術館はビルのなかの閉鎖的な空間に居るようで雰囲気はあまりよくないですね。
添付の「光と海の風景」、海に漂う光は、夕日? まさに抒情の風景ですね。
この作品は、クロード・モネの代表作 「印象 日の出」を彷彿させる。自然光(外光)のとらえ方が同じでとても美しい。
貴兄がTさんと再会したとき、きっと吉田博で話しが盛り上がることでしょう。

ター さんのコメント...

>忠ちゃん お気遣い頂いたようですね。ありがとうございます。ボクは昨年暮れにこの企画展のチラシをゲットしてありまして、時の来るのを待っていました。
館長さんはお知り合いだったんですね。美術館へ行くというのは特別なところに行くというイメージが有るので、そういう意味からすると雰囲気的にはパッとしない印象は否めませんね。
光る海 という作品は確かにモネと同じような印象を持ちました。時刻は、他の作品と見比べると、多分朝のうちだろうと思いますが、特段説明はなかったですね。
いい目の保養をしました。