2022年6月6日月曜日

後追い日記 (その4) 正しい呼吸法

入院してすぐに、ボクのためにリハビリが組まれていることが判った。
呼吸器系疾患のリハビリなんていうのは聞いたことがない。
何をやるのだろうか?

入院当日と翌日の午前中は適切な酸素供給量を探ることと
携行用酸素ボンベの使い方に費やされ、リハビリはなし。
2日目の午後になって、院内のリハビリセンターからトレーナーがやって来て、
「今からリハビリをやりましょう」と言って、ボクを病室から廊下に連れ出した。
SpO2無線通信機と酸素ボンベをトレーナーが持ってくれた。
「SpO2が下がらないような歩き方を覚えてもらいます」と言い、
「吸気1:呼気2 の呼吸を繰り返しながら、
自分に合った速さで歩いてください」と言って歩き出した。

出だしでは数メートルも歩けば苦しくなったが、
途中で椅子に腰掛け一息入れてからまた歩く稽古を繰り返したら、
数10メートルくらい歩けるようになった。
正しい歩き方をしていればSpO2計に出る酸素量は減らない。
呼吸と歩行がマッチしないと酸素量はすぐ減り、息苦しくなった。

入院中、このリハビリを3日間で4回行った。毎回30分以内。
それ以上はボクの体が耐えられない。
トレーナーの説明によれば、肺に酸素が残っていると新しい酸素が取り込めないから、
肺に残った空気を出来るだけ吐き出すことが肝心であると。

極端な話、走ったあとで息苦しくなったら、大きく息を吸うのは間違いだという。
しっかり息を吐くのが先で、その後に息を吸うこと。
そういう人は息を整えているときに肩は上下動しない。

ボクの場合、血中酸素は1:2呼吸法(複式呼吸法)のときだけではなく、
1:1で深い呼吸のときでも増える。
ボクの歩行では1:1で適度な深さの呼吸のほうが楽に歩ける。
トレーナーも、自分が楽な呼吸法で歩けるならそれでいい、と言ってくれた。

退院してからもずっと続けて練習をやっているが、
歩きながらのこの1:2呼吸法はなかなか難しい。
SpO2計でチェックしているとその難しさは分かるが、
SpO2計がないと分からないかもしれない。

1:2の口すぼめ呼吸と腹式呼吸はCOPD(肺気腫)の
患者に勧められることを後で知った。
呼気のとき口をすぼめて息を吐くと、
気管支が潰れるのを防ぐから息がしやすいという。
それに合わせて肺に残った空気をしっかり吐き出すこと。
そのために1:2呼吸をするのだということを、リハビリが教えてくれた。
まだ間に合うかも知れない。
呼吸筋を鍛えるために頑張ってみよう。

2 件のコメント :

忠ちゃん さんのコメント...

病院では、その人にあった治療を丁寧に行われている。それが仕事とは言え感心します。
1:2呼吸法は、言われてみればたしかに理にかなっている。理詰めで物事を考える貴兄にとっても納得できる呼吸法と言えるでしょう。
ボクは駆け足(最近できなくなった)、早足で歩くとき本能的に2;2呼吸法になっている。1:2呼吸では少し苦しい。自然なことなのかなあ・・・。
姉が呼吸困難になり急きょ病院に運ばれた。それがきっかけになり老人施設入居となった。
姉が病院でリハビリをしているとき見学した。SPO2を手にはさみ、平行棒のような器具につかまり歩行訓練していた。トレーナーが「少し歩くと、ほらこんなにすspo2
値が下がる」と数値を見せてくれた。これを見ながら歩行訓練していたようです。
いまは回復して施設内を歩行器で歩き回っています。

ター さんのコメント...

>忠ちゃん 1:2呼吸法は安静時に無意識のうちに誰しもがやっている自然な呼吸法じゃないでしょうかねぇ。酸素が多く必要な体の動きがあるときは1:1になるのも自然なことかと思いますが、そういい切る自信はありません。
高齢者は呼気で空気が肺に残りやすくなるので、できるだけ吐き出させようと、1:2呼吸法を勧めるのだと思います。
姉上の場合と同じようにボクも軽い動きであってもSpO2値はすぐ下がります。それだけ酸素の吸収力が小さいと言うことです。