2016年11月6日日曜日

思い出話

昨日、2年4ヶ月振りにSさんにお会いして思い出話しに花を咲かせた。
Sさんは隣のI市の出身で、今も同級生と交流が続いており、月に1回くらいは同級生に会いにI市まで来るという。そんな訳で、落合う場所のレストランとその後の喫茶店はSさんがご指名し、杖を使って膝をかばいながらも、わざわざ名古屋市内からお越し頂いた。

Sさんはボクより4才上で現役時代に食料関係業界新聞社に勤めながら、東海地区に乳業関係の2つの協会を立ち上げ、その後、長年に亘って事務局長として両協会の面倒をみてきた人である。従って、ボクがまたペイペイに近い、いち会社員に過ぎなかった頃から、会社のトップやそれに近い人々と交わって来た訳で、ボクの知らない表の話やら裏話やら、その知識の豊富さに殺到され、ボクはもっぱら聞き役に回った。

Sさんは4年前に奥さんを亡くされた。二人の間に子供はできなかった。
ご本人が言うには、その直後は落ち込んで自殺願望を言いふらしたという。そんなこともあって、妹の勧めで、一旦は大阪の老人ホームに入居したのだが、雰囲気が気に入らなかったので、3ヶ月でそこを退去し、住み慣れた名古屋の老人ホームへ転居した。ところが、そこも気に入らなかったので僅か1ヶ月で逃げ出したそうだ。
そして落ち着いたのが元住んでいた場所にある同じ高層市営住宅の別室である。
結局、老人ホームを転々とした理由は何だったのかと言えば、老人ホームの入居者の身体的精神的状況に比べたら、まだ自分は一人でも生活出来るじゃないか!ということに気づいたということのようだ。
以上、Sさん個人に関する記述は以前のブログ日記にも書いたから重複する。

全く新しい話もあった。
卒業シーズンになると、名古屋地方で決まってローカルニュースになるI中学校の伝統行事がある。それは卒業していく3年生が自分の机と腰掛を木曽川の岸辺まで運んで、伊吹おろしにさらされながら、木曽川の流れの中でそれを洗うというもの。何と、この行事の発案者がSさんだという。ついでのこことながら、「机と椅子」とは言わず「机と腰掛」というのが伝統だという。
Sさんは新制中学になっての第2回生だが1回生が少なかったようだから実質的に初めての卒業生だったはず。中学校創立の最初の卒業生からの伝統行事ということになる。

3年生のとき、教室で机を並べていた隣の女の子が習字で汚れた机を綺麗にして卒業したいと言って、Sさんに相談した。
当時生徒会長だったSさんは飛騨高山の斐太高校の白線流しのように、いつまでも思い出に残るものはないかと思案していたところでもあり、早速、3年生全員に呼びかけた。
ところが、当時はまだ簡易水道しかなかったので、全員が一度に洗うだけの水量がなかった。
そんなら木曽川で洗おうじゃないかということになった。
という次第なのだ。
今まで、テレビのインタービューを2回受けたことがあるそうだ。

更に、Sさんは、後に学生の頃、病気療養で家でブラブラしている時に同窓会長に推された。
その時に、講堂の緞帳をつくる費用の捻出のために、同窓生を総動員して1万枚の映画館の入場券を売り捌いて、10万円稼いだという。勿論、それだけで緞帳が買えた訳ではないが、その貢献度は大きかったそうだ。入場券が50円でそのうちの10円が収益になったという。
ボクが高校生の時、3本立てで30円という映画館へよく通った。
大学1年生のときの、1日アルバイトして300円だった。
入社して初任給が13,860円だった。
そんな記憶を辿って計算してみると、当時の10万円は今の200~300万円相当か?
これが他からの寄付集めの刺激になったのだろう。

こんな思い出話しをしながら約4時間。いい時間を持てたと思う。
連れ合いに先立たれ、ひとり残されてもボケることもなく、頑張る人生の先輩がここにもいる。
次回は、ボクの方からお宅近くに出向きますと言って別れた。

2 件のコメント :

忠ちゃん さんのコメント...

それほど深い繋がりがあったと言えない年上のSさんと今も交流が続いているとは、素晴らしいですね。よほど貴兄のアクティブリスニングがSさんを居心地よくしているのしょう。
以前、ボクが老人ホーム入所を検討していたとき、「Sさんのホーム入居経験談を参考にしたいなら会うようセッティングしてもよい」と貴兄がブログで言ってくれたのをよく覚えています。老人ホームは千差万別、自分にあった施設を見つけるのはたいへんです。ボクもいろいろ施設を見学して決めた。パブリックスペース(カラオケ室、図書室、談話室など)が充実していることが
決め手になった。自立者(18人)は最上階の4階で独立しており、2面ガラス張りの食堂、浴室からは眺望抜群、夜景を見ながら楽しめる。
入所1か月経過、おおむね満足しているが、不満もある。
食事はとても美味しいが、少し塩味が強すぎる。献立表にはカロリー表示の記載があるが、食塩の表示がない。(家内のいた老人ホームは記載されており、食塩は9g/日程度であった)。
介護食でなく、自立者専用の献立だから味が薄いと不満が出てくるのだろう。
施設の管理栄養士に尋ねたら、平均14g/日あるらしい。あまりに多すぎる!!食塩量を減らして如何に美味しい料理を作るかが管理栄養士の腕の見せ所ではないか。ハッキリそのように言わなかったが、先方はそのように受け止め、一度に食塩量を減らせないので、少しずつ減らす努力しますとの返事をもらった。
「うるさい爺さんが入所して来た!」と思っているだろうなあ・・・・。

ター さんのコメント...

>忠ちゃん 今日早速Sさんから、あなたの聞き上手にリードされて、つい余計なことまでおしゃべりしてしまいました、という手紙が届きました。ボクはもともと口下手ですし、書くのも苦手の性格ですから、基本的には話し手側よりも聞き手側に回るのを常としています。そんなことでSさんと上手く波長が合ったのでしょうね。勿論、Sさんは温厚で信頼できる人柄ですし、臆さず誰とも交われるところは天性なのでしょうネ。本当に良い人ですよ。
貴兄に、よろしければ紹介しますよと言っのをよく覚えていましたネ。まさにこのSさんのことです。
貴兄は入所された施設に概ねご満足のようですから良かったですね。
大決心して、高い費用も払って、それで不満なんていうことになったら、大変だろうなぁ、心配していましたよ。(笑)
早速、栄養士さんと仲良くなったようだから、きっとお口にあうように改善してくれるでしょう。めでたしめでたし。