2018年8月8日水曜日

22日間の穴籠もり


7月14日から8月6日までのうち2日間を除いて、22日間は酷暑のために穴籠もり状態だった。昨日の8日は最高気温が35℃台を切り、やっと一息つけた。でも、今日はまた38℃になるとか。


穴籠もり中は、午前中から食堂のクーラーを点け、夫婦二人して立て籠もった。
夜になっても気温は下がらず、寝るまでクーラーは切れない。
寝るときは寝室のクーラーに切り替え、起床時まで点けっぱなし。
結局、クーラーは連日20時間くらい稼働したことになるかな?
この期間にボクが外出したのは医者通いに1回、図書館へ2回のみ。
このときもクーラーの効いた車を使った。
自転車や徒歩なんて、とんでもない。そんなことをすれば命に関わる。
家内は自治会のお勤めのために2日間駆り出されたし、病院通いもしたし、買い物や郵便局、農協にも出掛けたりしたから、ボクよりもちょくちょく穴から這い出している。やはり女のほうが生命力があるのかな?と思ったりした。

穴籠もりになって、やることといえば読書とパソコンだけ。
おかげで伊東潤の「西郷隆盛と明治維新三部作」を完読した。
作者自身の弁によれば、『武士の碑』では西郷側近の村田新八の視点から、『走狗』では西郷に大恩がありながら袂を分かち大久保側に付いた川路利良の視点から、そして『西郷の首』では不遇をかこつ加賀藩士の視点から、それぞれの幕末維新と西郷隆盛を描いた、と言う。

西郷には謎が多いらしい。中でも、西郷の最期の場面がその一つ。
西郷の最期には政府軍の流れ弾に当たったというのが定説だったようだが、伊東潤は「武士の碑」で新説を述べている。即ち、味方の桐野利秋と村田新八が撃ったというのだ。ボクはこれには少々驚いた。

その「武士の碑」の中で、作者伊東潤は主人公の村田新八が視察先のパリで、ギュスターヴ・クールベの娘やエミール・ゾラと出会ったことを、かなり濃密に描いているが、おそらく大部分は作者のフィクションじゃないだろうか?

ボクはクールべを知らないから、どんな画家っだったのか?、ググってみた。
そして、とんでもない作品があるのを知った。「世界の起源」である。
オルセー美術館に展示されているらしい。見学者たちはどんな顔してその絵を鑑賞しているのやら?
ボクはといえば、穴籠もり中の穴から珍しいものを覗き見した気分である。

2 件のコメント :

忠ちゃん さんのコメント...

どうしようもない暑さが続きます。昼食は、外食か簡単な自炊をしているが、外食のため平針駅近くまで行くと炎天下往復2千歩歩く。耐えられないので8月になって外出したのは3日間だけ。部屋の冷蔵庫は46ℓで冷凍室もない。買いだめはできないので備蓄が尽きると焼き海苔、納豆、ハム、卵ぐらいの粗食で済ましている。
姉の自宅には8/1に行った。そして姉の施設によるつもりだったがやめた。施設には2週間行ってない。明日は両方立ち寄るつもりで炎天下8千歩ぐらい歩く。少し心配だ。
ご紹介の村田新八は、芸術と音楽をこよなく愛したそうだ。岩倉使節団に同行し、持ち帰ったアコーディオンを一時も手放さないで楽しんだという。
クールベは既成のアカデミック絵画の世界を改革した旗手。同世代のミレー、続くモネ、ルノアールなどに影響を及ぼした。ぼくは美術館でガイドしたとき参考に手持ち資料でクールベの「波」を紹介した。荒々しい波を写実的に描いた有名な作品です。国立西洋美術館が所蔵している。
そんな改革的なところが村田新八が共感したのかも知れませんね。
そのことを作者が題材にしイメージを膨らませて書いたのでしょう。


ター さんのコメント...

>忠ちゃん 貴兄ならクールベはよくご存知だろうと思っていました。村田新八のアコーディオン好きまもよくご存知ですね。小説の中では最期にアコーディオンを弾きながら銃殺されました。
猛暑続きで貴兄もご不便なようですね。早朝に所用を済ませるとか工夫されて、日中は無理しないで下さい。