2018年5月20日日曜日

「逝きし世の面影」を読む

4月23日のNHKテレビ「プロフェッショナル仕事の流儀」で、北海道の小さな町の本屋「岩田書店」の店主を取り上げていた。1万円で店主に選書を任せると適宜本を選んで送ってもらえるという。人気が出て、今では3000人待ちの盛況だという。街の本屋が次々と消えていく昨今では異色の本屋である。おそらく店主の目利きがいいのだろう。
その店主が選んだお薦めの本の1冊がボクの目に留まった
「逝きし世の面影」という。


早速、図書館検索で確認したら、貸出可と出た。
だが、都合で直ぐに図書館に行けず、数日空けたら、先を越されてしまった。
予約を入れて待つこと2週間、やっと順番が回って来て、借りだしてみたら、ボクの後ろに二人の予約待ちが出ていた。同じテレビ番組を視ていた人たちだろう。
ご同輩は何処にもいる。

この本は20年前に発刊された。作者は渡辺京二。九州の学習塾の講師とある。
内容は、ウィキペディアから引用させてもらうと、
「近世から近代前夜にかけてを主題とし、幕末維新に訪日した外国人たちの滞在記を題材として、江戸時代明治維新により滅亡した一個のユニークな文明として甦らせた」
ということである。
なるほど、当時の日本はそうだったのかと感心することが多いから、確かに面白い本ではあるし、現在ではもう見聞き出来ないものばかりだから「面影」というのも頷ける。
ただ残念ながら、表現がなんだか論文でも書いているのかと思うほど硬くて難解だから、折角の本も興ざめしてしまう。この辺はボクの読解力の至らなさというべきか?

発刊当時の書評が面白い。
これはいい本だとする評価があると思えば、これは愚書だとこき下ろす評価もある。
この本が面白いと言って薦めた岩田店主さんの眼力は大したものだ。
一体全体、この店主の読書量はどうなっているのだろう?不思議に思えた。

2 件のコメント :

忠ちゃん さんのコメント...

相変わらず読書欲旺盛でいろいろ読んでますね。前にも書いたようにボクは、全くと言っていいほど本は読まない。活字を連続的に眼で追うということが面倒で疲れてしまう。芥川賞、直木賞など話題になった本を読んだことがない。興味ある歴史ものの資料などを部分的に飛び飛び眺める程度です。
小説を読み始めて一気に最後まで読んでしまった経験は、随分昔にさかのぼるなあ。
25年ほど前、読んだ藤沢周平の「蝉しぐれ」は面白かった。
その頃家内が胆石の手術で4日ほど入院していた時、退屈しのぎになると思い病院に持っいったら家内も一気に読んでしまったようだ。その後何回かのシリーズでTVドラマになった。それも観たがやはり小説を読んだほうが想像力が高まり映像より良いと感じた。
日頃いろいろ小説などを読んでいれば語彙も豊富になり、心理的葛藤など理解が深まり、人間としての幅が深まると思うが、この歳になってはもう手遅れだ。

ター さんのコメント...

>忠ちゃん ボクの読書はもっぱら暇つぶし用ですよ。本は面白くなければ読まない。だから面白い小説を書く小説家の本を追っかけることになります。藤沢周平は殆んど読み尽くしました。随筆も含めてね。時代ものの作家では読みやすさという点で当代一だったと思います。中でも「蝉しぐれ」はヒカイチの出来だったのじゃないかな。
歴史ものでは、最近、司馬史観を糺す方向の本がボチボチ出ています。そういう本の主張は、極端に言えば、明治維新は単なる暴力革命だったと、例えば、吉田松陰なんかは維新の英雄どころか暴力団の扇動者だとみなすわけですよ。現代でも、会津地方では長州の血を引く安倍総理を快く思わない人々が多いだろうと思いますが、歴史本を読むと、そのへんのところも何となく理解できるような気になってくるのです。
本に興味がある間は、まだまだ大丈夫かな?と思っています。貴兄はボクより元気だ。まだ手遅れということはないと思いますよ。(笑)