2019年10月18日金曜日

製品が売れすぎて子会社が解散する羽目に

C新聞の昨日の地域経済ページに小さな記事が載った。
「M社は製造コスト削減を目的にした国内拠点の再編成の一環として、100%子会社であるT社を、設備の老朽化を理由にして来年5月末に解散させ、事業は別工場に移し、従業員とは雇用契約を終えて、希望者にはグループ企業で採用試験を実施するなど再就職を支援する。」という内容。


元はと言えば、T社は昭和33年に九州から出てきた人が一旗揚げようと、使われなくなった鉄工所を買い取って始めた会社である。
その後、M社の製品を受託製造したのをキッカケにして、M社に庇を貸して母屋を取られることになった。


ボクはこのT社で1992年10月1日から2000年4月30日までの7年7ヶ月間働き、
ここを最後に現役を引退した。


就任当時から建物も設備も全てがオンボロだった。
その上、人材にも事欠いて苦労した。
販売部門を持たないから、業績はM社の売上次第だった。
そのため、毎年のようにM社は新製品を投入。
それによって業績を何とか確保してきた。
最後は、離任直前まで準備してきた新製品が、その後大当りしたようだ。
これが、発売してから18年後にT社解散する、もう一つの原因になったのである。


即ち、その製品が大当たりして、T社の製造能力を超えたのだ。
そのためM社は自社工場に製造を移管した。
穴を埋めるべく別の新製品を持ってきても、なかなかヒットするものがない。
設備も老朽化している。
じゃぁ、クローズするか!
以上がボクが想像した筋書きだ。


解散と言えば聞こえがいいが、従業員にとっては職を失うことに変わりない。
グループ企業に再就職を支援すると言っても、近くにグループ企業があるわけでないから、
無理な話だ。
可哀相に!
良い再就職先が見つかるように祈りたい。

2 件のコメント :

忠ちゃん さんのコメント...

貴兄がT社の最高責任者として苦労があったことは聞いていました。文面からその経緯がよくわかります。親会社の工場閉鎖だとそれなりに従業員に対する配慮はあると思うが、子会社ではそうはいかないのかなあ・・・・。
ボクも社内のことだが国内産ビール大麦が減り、外国産輸入麦芽の比率が7割程度になった。それにともない各工場の製麦部(旧製麦課)が閉鎖になっていった。ボクは2工場で直接の責任者、1工場で2年後閉鎖になる責任者として関わった。長年その部門だけで働いてきた従業員にとって新しい職に変わるのはショックだ。
当時は本人の希望を最優先に配転した。長年住み慣れた土地を離れ、名古屋→大阪 群馬→東京に転居した人も何人かいた。大半は工場内の他のセクション、支店の営業職に転職した。
これは40年前のことです。いまは会社の事情で従業員を何千人、何百人カットの時代す。
その分、会社に忠誠をつくして定年までがんばる、という時代ではなくなったですね。

ター さんのコメント...

>忠ちゃん 他のところはそうか分かりませんが、子会社なんていうのは極めて弱い存在なんですね。
命運は親会社に握られていて、いざというときは真っ先に切り捨てられる。それでも間に合わないとき、やっと自分のところの整理に手を付ける訳ですね。
今の時代、大型整理の話をよく聞きますが、発表される数字の他にも多くの数が隠されているだろうと思います。ですから、一般的には、子会社の失業者を親会社が救う余裕はないはずですね。支援するとはいうものの、実態は無きに等しいと思います。
貴兄も合理化という名目のもと多くのひとたちを動かしてきたようですが、転勤が出来る人は転勤先があるから未だいいですよね。子会社にはそれがないから哀れなんですね。
我々の年代の者はいい時代にいきたと思います。