2011年4月20日水曜日

放射線腫瘍治療の本


白内障になっても、目からウロコが落ちてものが見えるというのは日常茶飯事だ。
「切らずに治すがん治療」という、中川恵一 東大付属病院放射線科の先生が書いた本を読んだら、やはり目からウロコが落ちた。

前立腺がんが見つかって、ホルモン治療と放射線治療を主治医が選択したという親友がいるが、
彼は手術をして貰えないことに落胆の口ぶりであったので、心配していたこともあって、
先日、図書館でこの本を見つけて内容に興味をもった。

平成19年刊行だから少々古いが、読んで、ビックリ!である。
がんを手術でなく放射線で治せる。例えば、初期肺がんなら手術と同等以上の完治実績だというし、前立腺がんに最も適した治療法だという。
装置も技術も進歩は著しく、アメリカではがん治療では手術よりも先の選択肢になっているほどなのに、残念ながら、日本ではこういう優れた治療法があるのをあまり知られていないのが実態だと。
著者の言葉を借りれば、
「外科学会で放射線腫瘍学会の研究発表をすることがあるとするなら、
それはトヨタの全国大会でニッサンの開発研究を発表するようなものである」である。
それはあり得ないことだと。
そして、日本でがんになったら医者は真っ先に手術を勧めるが、
その時は返事を一旦保留して、是非セカンドオピニオンとして放射線腫瘍医を訪ねて欲しい、と力説している。

自分にまたがんが見つかったら、今度は是非そうしたいと思う気になった。
放射線腫瘍医のいる病院はまだ限られているが、本にはそのリストも掲載されていて、
親友が選んだ病院もリストに入っている。それを見つけて安堵した。
彼には、この本を是非とも読むよう勧めた。
がん治療の啓蒙書として、がん予備軍の年配者に是非読んでもらいたい1冊である。
自分の読書記録には、この本の満足度を満点として記しておいた。

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